条約や法律よりも大事なこと


横浜市青葉区の社労士の澤辺です。

ILO(国連の国際労働機関)で今日から6月8日まで、スイス・ジュネーブで総会が行われます。
最近、パワハラやセクハラの問題が多くメディアでも取り上げられていますが、この総会では、
ハラスメントの国際基準が話し合われる予定です。

条約で基準に拘束力を持たせることができるかどうかが焦点となるようです。

ハラスメントを国際的問題ととらえ、話し合いが行われることは多いに賛成です。
基準が出来れば分かりやすいですし、問題に対する取り組みとしては前進です。

ただ、忘れてはならないのは、条約や法律において、
「これをやったらハラスメント」とか「それをやったら罰則」という規定があることが問題の根本的解決ではないということです。

極端な例を挙げれば、普通は人を殺したり、盗みをしたりしません。
刑法がどうなってるからとか、条約でこうなってるからしないのではありません。

同じように、セクハラやパワハラをしないのも、根幹は、セクハラ罪・パワハラ罪の規定がないとか、条約がないからとかではありません。

その人の意識というか、倫理観がそうさせているわけです。

それはハラスメントかハラスメントではないか?の議論よりも、重要なのはそんな状態をまずは作らないこと。
就業規則でセクハラ・パワハラの懲戒処分を厳しくすることよりも、それを発動せずに済むように徹底すること。

つまり、未然防止に力を入れるということです。
セクハラ・パワハラは絶対許さないという空気を作る。幹部が対策に本気という姿を見せる。

就業規則などの整備ももちろん重要ですが、その制度が適用されるのはあくまで人です。
ですから、日頃から、セクハラやパワハラとは無縁な人材育成、倫理観の形成に力を入れて頂ければと思います。

起こったらどうするの?も大事ですが、起こさないようにするにはどうするの?この意識をお忘れなく!

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