その懲戒処分を行う前に。。。


横浜市青葉区の社労士の澤辺です。

社員を懲戒処分にしたい、と思う時があるかも知れません。

ただ、その前に一呼吸。。。

まずは、基本的には、懲戒処分を行うことが目的ではありません。
ともすると、それ自体が目的となってしまいがちですが、落ち着いて、
「そもそもなぜその処分が必要なのか?」と本来の目的を思い出して下さい。

そして、ここからが本題ですが、懲戒処分を行うには根拠が必要です。

就業規則に懲戒処分の規定はありますでしょうか?
就業規則を確認してみて下さい。

懲戒処分の規定(根拠)があったとして、懲戒事由に該当する合理性はありますでしょうか?
事由はいわゆる限定列挙で書かれていることが望ましいです。限定列挙とはそのものズバリということです。
この場合は解釈にズレは生じませんが、そういうケースの方が少ないでしょう。

例えば「ヒゲをそらなければいけない」という規定があったとして、その解釈が合理的な内容に限定解釈されることがあります。すなわち、人に不快感を与えるような「無精ヒゲ」「異様・奇異なヒゲ」はダメだけど、「キレイに整ったヒゲは良いんじゃないいの?」と解釈されるような場合があります。(東京地裁判決昭和55年12月15日イースタン・エアポートモータース事件)

こういったものを含めて、そこに合理性があるかどうかということです。

根拠があって、合理性があっても、その処分が社会通念上相当か?という相当性の問題があります。
簡単に言えば、情状から鑑みてその処分は重過ぎるんじゃない?となれば懲戒権の濫用となります。

1.根拠2.合理性3.相当性です。
さらに、相当性には公平性(簡単に言えば人の好き嫌いとか)や手続き的な相当性(弁明の機会を与えたかなど)も考慮されます。

懲戒処分を行う前に、これらのことを総合的に見てみて下さい。
重い処分であればあるほど、慎重な検討をして頂ければと思います。

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