有給の買い取りは原則禁止


横浜市青葉区の社労士の澤辺です。

よく、有給休暇(以下有給)の買い取りについて聞かれることがあります。

誤解されやすい部分ですので、丁寧に説明をさせて頂きたいと思います。

さも、当たり前のように言われている有給の買い取りですが、これは原則禁止です。
※昭30・11・30基収4718号より(基収とは厚労省労働基準局長が疑義に答えて発する通達のことです。)
「年次有給休暇の買上げの予約をし、これに基づいて法(労働基準法のことです)第39条の規定により請求し得る年次有給休暇の日数を減じ、ないし請求された日数を与えないことは、法第39条違反である」とされています。

なぜかと言いますと、有給休暇とは、本来リフレッシュのための休暇で、心身の疲労を回復させることが目的の制度だからです。買い取りはその目的に反することになります。休むことが制度の趣旨です。

ということを大前提に話を進めていきます。

有給の買い取りが特に話題になりやすいのは、退職の場面です。

現在を6月2日、退職日が6月30日、残有給日数が40だとしましょう。

残りの出勤日を全て有給に当てたとしても、何日分か残ってしまいます。

その結果的に残ってしまった何日分かの有給を買い取ることは違法とはされていません。
違法ではないだけですので、退職時の有給買い取り請求に応じる義務はないということでもあります。(←ココ重要です。)

ただ、合法とか、違法とかの話の前に、有給が残ってしまった場合、まずは話し合いが一番です。

どのような流れで、有給が残ってしまったのかによって、対応は変わってくると思います。

例えば、会社側が常態として、有給をとらせないというスタンスで残ってしまうのか、有給がとりやすい環境なのに、労働者側が残日数を把握しておらず残ってしまうのか、退職時に有給が残ったら買い取ってもらうのが当たり前というスタンスで残ってしまうのとでは、全然意味合いが違ってきます。

残有給の買い取り請求があった場合は、今日の記事を参考にされてみて下さいね。

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