横浜市青葉区の社労士の澤辺です。
最近ではその言葉も定着しつつある(?!)みなし残業(固定残業)についてお話しします。
まず、最初に、、、身も蓋もないことを言ってしまうようですが、基本的にはあまりおすすめ出来る形態ではありません。
導入は、御社の実情に照らし合わせた上で検討されて下さい。
それでは、みなし残業の基本のキをお伝えしていきます。
その1
みなし残業がいくらか
例 月給30万円(みなし残業含む)
ではダメです。30万のうち、みなし残業が3万なのか、4万なのか、5万なのかはっきりさせておく必要があります。
その2
みなし残業は何時間分か
その1だけでは足りません。いくらなのかをはっきりさせても、それが「何時間分なのか?」分かるようにします。
月給というのは、ただの支払い方です。ベースには、必ず「時給」の考え方が存在します。
例 月給30万円 (基本給24万+みなし残業6万)※みなし残業は32時間分
とでも記載しておけば分かりやすいでしょう。
その3
労働時間の管理は必要
とはいえ、結局のところ、労働時間の管理はしなければいけません。
上記の例で言えば、確実に32時間以内に残業が収まるのでしたら、「給与計算」としては楽になります。
※ただし、収まるということは、必要以上のお金を支払っているということでもあります。
他方、「労務管理」としては、労働時間を把握しておく必要があります。
「残業代は法定以上のものを支払っています。給与上、時間を把握する必要はないので、労働者の労働時間は分かりません、、、。」では安全衛生管理面が問われてしまいます。
このケースでは、残業が32時間を超えた時には、その超えた分を支払う必要はあります。
必ずしも、みなし残業を支払っている=残業代を正しく支払っているではありません。
その4
勝手に変更しない
ある月に「今月からみなし残業にするからよろしくね!」
というわけにもいきません。
労働者側との合意の上、制度を導入しましょう。
もちろん、形式上、同意書をとっていっればOKというものではありません。
導入する必要がある合理的な理由を説明した上で、労働者側の理解を得る必要があります。
例えば、説明会を開いて、その時に質問が出なかった=全員が同意というわけではありません。
当然、質問はしづらい空気があるはずです。
説明会で説明する→個別に面談して説明をつくした上で、同意書をもらう→(必要があれば、経過措置も取り入れつつ)みなし残業制に移行する。
くらいのプロセスは必要です。
今回ご紹介したのは、基本のキです。実際に導入しようとすれば、他にも障壁が出てくるはずです。
会社の数だけ「ケース」がありますので、残念ながらこの通りにやればOK!という記事は物理的に書けません。
「最低限ここだけは押さえておいて下さいね」という内容であることをご理解頂ければと思います。